付き合いというのは
大丸心斎橋劇場でのコンサート、舞台監督を頼んでいる竹ちゃん。
それこそ10年ぶりに声を聞いた。
面白いもので、10年という時間は無く、1週間ほど前に話をした感覚に陥った。
時間の感覚や記憶というものの正体は分からないが、本当に不思議な感じだ。
お互いに、確かに10年歳をとっているのだが、その声は10年前とは変わらない。
多分、容姿も変わらないのだろう。
しかし、ここを第三者的な目で見ると、声も容姿も違うのだと思う。
それくらい、自分の持つ感覚というのは、悪く言えば曖昧、良く言えば主観と共に有るという事だろう。
その竹ちゃんは、若いダンサー達から頼まれて舞台作りをする事が多くなったという。
良い事だ。
若い人達からすれば、竹ちゃんの感性が新鮮なのだと想像出来る。
世代というのは、そういうものだ。
竹ちゃん自身が楽しんでおり、そして喜んでいるのだからそれに越した事はない。
竹ちゃんは元々は舞踏の踊り手だ。
少し早い死を迎えた、黒沢ミカさんのダンスに触発された一人でも有る。
竹ちゃんとの話の中で、「ミカさんの踊りから見れば、自分はまだまだやな、と思うから幾つ何十になっても続ける」と嬉しい事を言う。
竹ちゃんが、そのミカさんの何を見て、何を感じてそう言っているのは知らない。
もちろん、知る必要もない。
竹ちゃんの声を聞いているだけで、その何たるかが見えてくるからだ。
そして、その「目指すものがある」と言う事が、私が嬉しく思えるところだ。
それは、「まだまだ生きるで」と言うメッセージだからだ。
竹ちゃんとは、10年以上前からの付き合いだ。
現在神戸に拠を置くダンスボックスで知り合った。
私が作るダンス作品の照明をやって貰っていた。
その初めての照明は忘れられない。
多分、竹ちゃんにとっても衝撃的だったのではないかと思う。
「竹ちゃん、こっちの照明を落としていって」
「いや、あんまり落とすと、ダンサーが見え無くなりますよ」
「かまへん、面白くもないダンスは見える必要もない」
「ええ〜〜!」
てな具合だったからだ。
4月12日のコンサートでは、10年ブリに舞台監督として再会する。
お互いにどんな顔をするだろう。
今から楽しみなのだ。
日野晃’古希’ドラムソロコンサート
4月12日 大阪大丸心斎橋劇場
6月1日 新宿ルミネゼロ