感覚を研ぎ澄ませていくと

「感覚」を使う、あるいは、「感覚」で探る、というような目に見えない代物を使いだすと、途端に世界が変わる。
もちろん、目から見える世界ではなく、自分自身の持つ世界観の話だ。
自分の持つ世界観という抽象的な言葉を使うが、私にとっては具体的な世界だ。

何時から、感覚ということを探り出しだしたのか、憶えていないが、きっと中学生の頃の器械体操の頃からではないかと思う。
私自身の体操を練習している写真を見て、その時の身体はどうなっているのかを感覚することを始めた頃からだろう。
それが、ドラムになり武道へと繋がって行くほどに深化していったのだ。

同時に、他人の持つ「感覚」という言葉と、私の使う「感覚」は丸っきり違う事に気付いていった。
もちろん、感覚は個人のモノだから、共有することは出来ない。
だから、「違う」ということは、そこからは分からない。
が、現れを見ていたり、言葉の端々から推測すると、他人とは質的にも違うと分かるのだ。

ここを追い求めていくと、際限がないということだ。
これは、別の見方をすれば、世の中の価値観に振り回されることなく、自分の世界を歩くことが出来るということでもあるのだ。
自分にとって大事なこと。
そして、その大事なことは、他の人の役に立つ、という実際に還元されていくのだ。

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