自分の敵は固定観念だ

自分の固定観念として、ある一つのことだけにしか意識が向いていない人は、その場で何が行われていて、何が大事なのかは分からない。
ここブレストの稽古でも、毎年来てくれる人たちがいる。
しかし、だからといって、稽古の目的に興味があるのではない。
私の見せていること、起こってしまった現象。
例えば、大きな体格の人が倒れたり、2人が組み付いて来ても倒したりする。
その結果としての「倒れた」を、やりたいだけなのだ。

もちろん、その欲求は間違っていない。
間違っているのは、私の指示する過程を踏まないことだ。
自分のやり方で相手を倒すのだ。
相手をする人は、壁壁した顔をし、私と目を合わせては「どうしようもないね」と頷き合う。
今回も、延々とやるからさすがに「No!」と怒鳴った。
怒鳴られても何も分かっていないから、目を白黒させているだけだ。
こういう人が数人いる。
そのくせ他人にアドバイスをしているのだ。
マルセイユでもあった。
もちろん、日本でもいくらでもいる。
こういった人達はどんな精神構造をしているのだろうと、何時も興味深く観察することにしている。
もちろん、それに徹することが出来ないから、瞬間湯沸かし器の如く怒鳴ってしまう。

ブレストでの最後のワークは、ダンサーの為のものだった。
30数人がクラスを受けてくれた。
プロやアマ、おばちゃんを入れて半数がダンサーで、後は武道系だった。
今まで、クラシックバレエと決まったワーク以外では、さほどワークを考えずに、どんどん進めた。
今回は、少し丁寧に、「ストレッチとねじれ」というテーマを自分で作り、それに沿って展開した。

自分で動くのではなく、身体にルールを作り、そのルールが身体を動かすという形式を提示した。
そのルールが「ストレッチとねじれ」だ。
ワークの中で、種類は知らないがドクターがダンサーと組んでいた。
ストレッチをサポートする「触り方」を見ていて「ダメ!」と怒鳴り、私が変わった。
わき腹から肋骨、腋の下から指先へとストレッチを促していく。
終わると、女性は殆ど寝ていた。
「気持ちよかった!」
と周りのダンサーに「全然違う」とはしゃいで話していた。
ドクターに「あかんよ、そんな触り方はドクターなのに」と一喝。

ダンサー達は、思っている以上に食い付きも飲み込みも早く、どんどん進めることが出来た。
新しい感覚にみんな喜んでいた。

1時間ほどで、レオさんが迎えに来る。
パリに飛び、アリビへ乗り継いで行く。
夜はアリビで稽古だ。

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