人生に無駄はない

久しぶりに1時間程、炎天下の中を歩いた。
足の裏、胸骨、骨盤他、色々な事を試しながら歩く。
足の裏の体重移動を感じると自然と速度が早くなる。
昔はナンバ歩きだったという。
私は懐疑的だ。
上半身とは無関係に、蝶骨に意識を持ってくる方が正しいだろう。
あるいは、すり足を検証する。
もちろん、すり足は論外だが、膝の具合ですり足に見える。
体重を足の裏に乗せるようにすると、これまた速度が早くなる。
あっという間に1時間を過ぎる。
思えば、歩くのはドラムの頃からやっている。
歩くリズムが、逆に変拍子の稽古になるからだ。
これは、歩きながら転げそうに何度なったか分からない。
歩くことは忘れているのだが、ふとした時に思い出す。
そうすると、転げそうになるのだ。
胸骨に気付いた頃、何度ナンバから梅田を往復したか分からない。
足の裏の転びに気付いた時、信号や地下鉄を待っている時、延々とその稽古をした。
もちろん、これは40年たった今でもやっている。
おかげで足首を柔らかく使えている。
ドラムの時も、ペタルをキックする力を出すために、3年ほど爪先立ちで歩いた。
待ちゆく人にバレないように、若干踵を浮かして歩くのだ。
最初は上下動が気になって仕方がなかったが、やはり時間と共にそれは無くなり、同時にペタルを蹴り込んだ時に折ってしまう位の力が出るようになった。
もちろん、当時はお金が無いから、新品を買うことは出来ない。
何度溶接をしてもらったか分からない。
そんな練習も、武道に役に立っている。
人生ムダなどどこにもないのだ。

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