生まれて初めての晩餐会へ
今月のバタバタは常軌を逸している。
雑誌秘伝への原稿が、来月発売されるDVDの為のものに変わった。
となると、3500字から4000字は必要だ。
しかし、何よりも「武禅一の行」の感想に対する返答がある。
17日の木曜日には、その雑誌秘伝用の写真撮影があった。
これは写真を撮ればそれで終わりだが、原稿は締め切り迄に書かなければいけない。
11月にある講演のレジュメ的な写真のまとめ。
スポーツ庁の室伏長官との事で打ち合わせが入った。
そこに降って湧いて来たのが、今年の「京都賞」関連の話だ。
2024年度の京都賞に、振付家のウイリアム・フォーサイス氏が選ばれていた。
その事は、確か6月頃にニュースで知っていたが、タイミングが合えば会えるかな?くらいに思っていた。
先週、その「京都賞」を主催する稲盛財団からメールが入った。
まず、そういったところからメールが入る事はないので、何か詐欺か?と思い開かなかったが、捨てもしなかった。
「武禅」のレポートを書いてから読もうと思っていたのだ。
が、少し気になって読んで見た。
稲盛財団とあるのを確かめると「京都賞」の事が紹介され、ウイリアム・フォーサイスさんの事があった。
そして、そのフォーサイスさんが、是非とも日野晃を招待して欲しいとの事だ、というのだ。
詐欺のメールでは無かった。
宮様ご出席の表彰式と晩餐会への招待だった。
思えば、2005年初めてドイツ・フランクフルトにあったフォーサイス・カンパニーのスタジオに行った時、私の何かが完全に変化したのを昨日のように覚えている。
世界一のコンテンポラリーダンスカンパニーということは、世界一のダンサー達が集まっているということだ。
そこに私の身体論を持ち込めるのか、また、表現論を持ち込めるのか?そんなことが頭の中をグルグル回ったのを思い出した。
事のキッカケは、やはりフォーサイスカンパニーに初めて日本人として抜擢された安藤洋子さんだ。
安藤洋子さんが、私の東京の道場に習いに来てくれたのがキッカケで、「ダンスとして」の基礎的な動きを指導した。
ダンスは武道の動きを分解する時に、徹底的に参考にしたのがジョルジュ・ドンやショナミルクを擁する二十世紀バレエ団の作品だった。
だから、ダンス的に、というのは私に定着しているので、楽に指導できた。
その安藤さんの動きに、フォーサイスの嗅覚が働き、安藤洋子さんに動きの指導を託したが武道に関しては、全く分からないので私を呼べという事になり、2005年4月にフランクフルトに飛んだのだ。
そこから、十数年フォーサイスカンパニーに通った事になったのだ。
名誉ある「京都賞」の受賞は、フォーサイス氏にとって特別な意味のある物だろうと想像する。
それらコメントは当日聞けるだろうが、「ビリーと呼んでくれ」と言われた仲としての私は、勝手に想像する。
William Forsythe Congratulations!