次の事より今の事、今に全力を集中すれば次は良くなる
武道では分解組手をやる。
単純にいうと、型が有りその型は実際にはどう使うかを、一手一手分かりやすく組んだ形で行うものだ。
型は一つの流れになっているので、そこを切り取り行うのが一般的だ。
例えば、一つ動作があると、それに対して相手の一つがあり攻防形式になっている。
いわば段取りで、それを覚えるのだが、段取りを覚えるのではなく、そこにある要素を覚えるのだ。
しかし、ここは専門的になるので省くが、次に相手はどうくるかは、段取りで分かっている。
そこをガチで行ってみる。
40年ほど前は、このガチだけ、狙うのは急所だけというのを徹底した。
現在では夢のような話だ。
ガチで行うと、段取りしか身体に染み着いていない事が見えてしまう。
つまり、型崩れが起こるのだ。
それは何故か?「次の事を考えた今の動き」になっているからだ。
今の動きで相手の次を壊したり、相手の次が来ても今の完全な姿になっていれば対処出来るのだが、大方はそうはならなくて、「次の相手の攻撃を交わす今の動き」になり「今の動き」ではないのだ。
基本が大事だと言うが、本当に基本をやり込んでいないから、次の対処も今の対処も出来ないのだ。
何よりも、気持ちと行動が一致していないからだ。
一つの事を亀の歩みのようにゆっくりと堪能しなければ、身に付くのはどこまで行っても段取りだ。
つまり、目先の事しか見えていないし、目先の事もやり抜けないのだ。
そんな事をしみじみと感じるのが、武道の稽古だ。
そこが武道の良いところだ。
武禅一の行は4月28,29,30日です。
残り10席になっています、お早めにお申込み下さい。