修羅場がこころを強くする

「修羅場」という言葉がある。
ある意味では「正念場」と言い換えがきく。

よく、修羅場を潜り抜けた人は強いと言う。
何が強いのかというと、いわゆる「こころ」が強いのだ。
その人は、修羅場を潜り抜けて強くなったのだ。

先日、「大阪明鏡塾」を再受講してくれているベテランの柔道整復師が、開業した時の話をしてくれた。
開業するまで、毎日何十人に施術を数年に渡ってしてきた。
いわば見習い期間のようなものだ。
それで自信を付け開業だ。

開業したその日の初めてのお客さんを、今でも忘れないという。
股関節が悪いという事で施術に入ろうとした時、頭が真っ白になったそうだ。
見習い期間の間に、そのタイプの患者さんを大勢施術している筈なのに、その瞬間真っ白になったのだ。

それは、見習い期間がどうしたこうしたという話ではなく、そこでの責任者は、別のベテランの柔道整復師だ。
その事にも無自覚で、ただひたすら施術をしていただけだ。
しかし、開業し自分が責任者なのだと、その時に気付いたのだろう。

それが頭を真っ白にさせたのだ。
この感性が人生では、最も大事なものだと思う。

その意味では、人それぞれに修羅場がある筈だし、修羅場を持てる筈だ。
もちろん、修羅場は強烈なストレスだが、ストレスは大敵という風潮が、小さなストレスさえ遠ざける。
その事が、修羅場を体験できない人が増える理由かもしれない。
それは、物事を正面から受け止めない、逃げてしまうという事になるのだが。

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