相手に応じた力
「相手の力に応じた力」言葉は簡単だ。
それを相互が体感の上で実現させていく。
現代武道の真髄でもある。
もちろん、そこには「対立」はない。
それは「体感覚」だけの世界だからだ。
この体感覚には、二通りの道筋がある。
一つは、この相手に応じた力を、という「関係」。
一つは、自身の身体を組み上げていく「身体操作」だ。
超初心者には、そのどちらも難しいが、それは仕方がない。
前者の、相手に応じた力を、は、まず形を知り、それを崩さないようにする、から入る。
例えば、片手両手取りならその形であり、受けの形を崩さないようにする事だ。
そうする事で、反射的に起こる相手に対しての抵抗力を自分で管理出来るようになると同時に、身体全体の力加減を知っていくことになる。
それは、身体に反射的に起こる無駄な力を知り、力みを取る事に繋がる。
攻めの方も、相手の力に応じた対処を体感する事で、無駄な力、力みを知ることになる。
後者の場合、身体操作の連動や胸骨操作を、その形に当てはめる事で、力んだ強さではなく身体としての柔軟さを獲得していく。
そうする事で、相互に大きな力に対処できる体感覚や身体が創り上げられていくのだ。
こういった基本的な考え方が稽古の根幹にある。