知らないという立場から始まる

NHKとの打ち合わせは、結構勉強になった。
所謂ネットでのやりとり、テレワークの様なものだ。

これが意外と難しい。
音声も若干ずれるし、相手の顔を見ての話もずれる。
しかも4名での話となると、音声のズレが鬱陶しくなる。
「もうええか」となってしまう。
つくづく、実際の顔を合わせての打ち合わせが、どれだけ多くの情報を取り合っているかが分かる。

しかも問題は、武道を全く知らない視聴者への解説ということだから、相当難しい。
その意味では、私は極力現代語を使う事にしているが、それがまたややこしくなる。
武道を知らない人は、例えば「殺気」を知っていて、それは相手を殺傷しようと攻撃するという意思が働いている事なのだが、その現代語は理解しにくい。
つまり、知らない人は印象だけを認識していて、現代語になると理解出来ないとなるのだ。

私は、「殺気」の実際を知らない、という立場を取る。
知らないから分からないになる。
どうして、知らないという立場を取るかというと、知らないからこそ、「それは何?」となり、そこを解明していく作業が進むからだ。

もちろん、実際にも体験がない。
明らかに私を殺傷しようという人と、まだ対面した事がないからだ。
という実際に常に照らし合わせて考えるから、現代語として考えられ、当然、「では、どうすれば」というところから実現可能な稽古を編み出していくのだ。

そんなこんなで、武道を知らない人、というテーマは勉強になった。
でも、実際にスタジオに入り、という事になると、この勉強は吹っ飛び、大阪弁で柔らかく話すのだろうと思う。

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