自意識が決めること
自意識が薄れる程に身体や身体の動きが際立って来る。
また、身体そのものが「一つ」になる。
この事に気づいたことが、例えば、シルビー・ギエム他の一流ダンサーの作品の良否が理解できた。
つまり、「なんやこれ」と感じた作品の時は、自意識が過度に働いている時で、「涙が出るほど感動した時」は、全く自意識が働いていない時ということだ。
つまり、同じ作品を踊っても、良い時と悪い時があり、それは調子の問題ではなく、自意識の問題なのだ。
もちろん、そのことはダンサーのメソッドの中には無いので、「体調」や「集中力」の問題として捉えられているのだ。
いずれにしても、鶏と卵の問題と同じなのだが、体調や集中力という問題ではなく、一つ下の層の問題だという切り口を持つことで、アプローチの仕方が変わるということだ。
私の武道の稽古の中にある、何気ない一つを掘り下げることで、やっと「自意識」という言葉を使っても良いという段階に入った事がすこぶる嬉しい。