コンサートでの大失敗

インフルエンザではなくホッとした。
以前インフルエンザになった時は、ほんとにフラフラになったからだし、そうなると沖縄のコンサートに差しさわりが出るので、ただの風邪だと知ってホッとした。

コンサートに初めて出演したのは、25,6歳だったと思う。
東京のフリージャズのグループとの共演だった。
とは言っても、こちらは無名なので前座のようなものだ。

この初めてのコンサートは、初めての大失敗で終わったから大笑いだ。
ステージに出てセットに座り、第一発目の音。
右手を思い切り振り上げて、スネアを打つ筈だった。
もちろん、スネアを打った。

その時左手がスティックを持ちリムにかけていた。
つまり、左手がスネアのほぼ中心に来ていたのだ。
そんな事は無意識的に右手も知っている。

しかし、初めてのコンサートで緊張があり、その手元が狂った。
まともに左手親指を直撃したのだ。
当然、一発目の音は出ない。
代わりに「ウッ」という私のうめき声が鳴り、アルトサックスが驚いたように後ろを振り返った。

私は「かまわずいけ!」と目で合図し曲が始まった。
しかし、45分の曲が15分で終わってしまった。
手がダメージで持たなかったからだ。
その数年前、私の右の一発はシンバルを叩き切るパワーを出していたからだ。

沖縄コンサート。これが最初で最後だ。悔いの無いように、私の音楽を創り上げ、沖縄と融合しようと思っている。

沖縄コンサートは11月2日です。

■ワークショップのお知らせ
 東京11月28,29,30日12月1日
 東京・岡山・沖縄

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