体にきくとは?
「考えるな、体にきけ」とは何か?
体にきくという行為は、からだに感じている感覚を研ぎ澄まし、例えば、圧の差や抵抗の差を感じ取れるようになることだ。
その意味で、「考えるな」というのは、想像をするな、予測をするな、それらを触感に委ねろ、ということになる。
だから、大事な事は、圧の差や抵抗の差を、手を読み取れるようにすることだ。
それらは、治療家・施術家、あるいは、看護師・介護士といった、日常的に人の身体に触れている人が得意だと思ってしまうが、意外とそうではない。
肝心のそういった手の感触よりも、施術の結果や成果に目が向いているので、疎かになっている。
もちろん、それは私にとっては不思議なことだ。
本末転倒だ。
だから「明鏡塾」ということになるのだが。
しかし、この「圧の差」を、と言うが、それを実際に感じ取りコントロールするのは相当難しい。
つまり、100回触れて、同じ圧に、10.000回触れて同じ圧に、という感覚が必要だということだが、日頃その意識で生活をしていないので、手の機能そのものが幼いからだ。
ブリュッセルで武道の稽古をする。
それを主催してくれているお二人は、50歳代のかただ。
その一人が恐ろしく握力が強い。
もちろん、筋トレやがむしゃらな稽古を日頃しているのではない。
お仕事は何ですか?と聞くと、時計屋さんで修理もするそうだ。
つまり、繊細な手作業をずっとやっておられるので、手の神経が行き届いているのだ。
手が成熟している、大人の手ということも出来る。
だから握力が強い、というのではなく、手をちゃんと使えているから結果握力が強いと、こちらが感じてしまうだけなのだ。
そういった、精密な手作業をされている方以上に繊細でなければ、体にきくことはできない。
もちろん、治療でも同じだ。
どれほど、自分の手を使っていないかだ。
■ワークショップのお知らせ
東京11月28,29,30日12月1日
東京・岡山・沖縄