ブリュッセル初日
ブリュッセルへはパリに呼ばれて以来来ている。
だから10年にはなるだろう。
その間に、受講者はどんどん変わり、一番古い人は何人か数える程しかいない。
そんな中で、粘ってくれている年配の女性がいる。
太極拳の先生だ。
頭が固いというか頑固というか、これは誰でも同じだが、実際にやっていることと頭の理解は全く違う、ということを分かってなさすぎのおばちゃんだ。
しかし、ここ1,2年見ていると、こころなしか分かって来ている感じがしていた。
で、昨日の稽古では初めての方が数人いたので「肘」をやった。
もちろん、定番だからこのおばちゃんは10年程はやっていることになる。
見ていると、男性を相手にちゃんとやれているのだ。
「素晴らしい!!」と褒めると、嬉しそうに「でしょう!」という感じで満面の笑みを浮かべていた。
粘ってくれている人、諦めない人は概ね出来るようになっている。
だから「諦めないこと」というのは、世界共通語だと改めて理解した。
しかし、この現象、つまり、若い人で粘る人、諦めない人は少ないというのも世界共通だ。
もちろん、私の知る限りの世界だが。
そして、もし若い人で諦めない人がいるとしたら、男性よりも女性の方が多いのだ。
日本では、「日野の説明は少なすぎて分からない」という人が、若者も含めて多い。
では、この海外で理解するこの人達は天才なのかだ。
もちろん、通訳を通して説明はする。
しかし、日本での日本語と比べて明らかに説明は少ない。
「自分のことなのだから自分で考えろ」と海外では言う。
「私はあなたではないし、あなたは私ではないだろう」ともいう。
完全に突き放した言葉だ。
この言葉は海外では相当きつい印象があるそうだ。
しかし、理解しようとする人、理解する人もいるし、「説明が足りない」と泣きを入れる、あるいはクレームを付ける人はいない。
そこが海外と日本の違いだ。
今日は、午前中から稽古がある。
そろそろ迎えが来る。
昨日は、ドイツの山本君がスティックを持って来てくれた。
しかも、私のコンサートで売っていたTシャツを、彼女とペアで着てくれていた。
写真が無いのが残念!
日野晃’古希’ドラムソロコンサート
6月1日 新宿ルミネゼロ