どこでも学べる

昔から「腰の低い人には用心しろ」という。
当時は、商売人を指して言った言葉だろうと思う。
これも「相手に舐められる」と同様の手口だ。

言葉を変えれば「低姿勢」だ。
これは、世の中を渡る為の最高の武器でもある。
もちろん、世の中を渡る武器を細かく言えば、「大きな声で返事や挨拶が出来る」「お尻が軽い(すぐ行動に移れる)」等がある。

この「腰の低い人には〜」は、社会に出てから何時も頭にあった。
しかし、ガキの頃は、コロッとこの手に乗ってしまい、言わなくても良いことを話したり、偉そうに話した事があった。
それを思い出し、後日「しまった!」と思ったものだ。

そう言ったことを沢山体験しているから、20歳代に入ってからは、絶対にどんな相手にでも「下から出る」ようにしていった。
同時に、程度の低い人の「低姿勢」は見破れるようになった。
人は偉そうにしたい、あるいは肯定して欲しいものなのだ、ということを、体験的に知っていけたから、逆にむやみに肯定するレベルの低さも見えるようになった。

音楽の世界は分からないが、武道の世界で素晴らしい先生の共通点は腰が低いことだ。
それは、決して手段では無く、その人のお人柄なのだと感じる。

今でこそ、私は71歳になり、武道での年長の人とのお付き合いは、数える程しかいない。
その数少ないお一人は武神館の初見宗家だ。

私は先生の弟子ではないにも関わらず、本当に垣根を超えて接して下さっている。
私が初見宗家から学んだのはこれだ。

20数年前に初めてお会いする機会を得た。
そこから5,6年は、海外でのワークショップへ自費で押しかけた。
どんな時でも、初見宗家は私への態度を変えない。
決して慣れて疎かになるという事はないのだ。
これは私が絶対に見習はないといけないと思った事だ。
死ぬまで「低姿勢」でいこう。
という具合に、人生で学べる事はいくらでもある。

日野晃’古希’ドラムソロコンサート
6月1日 新宿ルミネゼロ

Follow me!