気持ちと同期させなければ
息子は今、東京帝国劇場で堂本光一さんの舞台で和太鼓を叩いている。
この公演が3月一杯まであるので、コンサートのリハーサルは、本番前1週間くらいしか取れない。
コンサートで二人で演るのは、譜面のあることではないので、その意味では楽だ。
しかし、重要な関係性ということと、その音が見えるか、ということのリハーサルが重要なのだ。
こればかりは、ぶっつけ本番という訳にはいかない。
その為に「どうすれば」をシュミレーションしつつ考え続けている。
私が現役のジャズドラマーの頃、集合即興演奏のグループを作っていた。
その時に散々実験を繰り返し、コンサートも重ねている。
だから、私自身の中には「どうすれば」はタップリ詰まっている。
いわゆる、ネタだ。
もちろん、ネタはフレーズではない。
どうすれば、自分の気持ちを動かせるかだ。
また、気持ちを変化させられるかだ。
音は気持ちと共にある。
だから気持ちが豊かであれば、素晴らしい演奏が出来る。
しかし、ここでいう気持ちは、観客に向かっての気持ちと、演奏そのものを作って行く気持ちの、二種類が必要なのだ。
もちろん、ベースにあるのは観客に、である。
そして、その気持ちを音として表現する為の、ドラムの技術が必要だ。
この技術は、フレーズやある種の奏法技術ではない。
気持ちと同期できる為のものだ。
だから、どれだけスティックに自由性を持たす事が出来るか、という技術だ。
こういった考えは、全部武道をやる為に考えて来た考え方だ。
自分自身をどうすれば、相手と反応する、反応出来る身体に出来るか。
決して、理屈や考え方を身体に押し付けるのではない。
重要なのは意識からの解放なのだ。
日野晃’古希’ドラムソロコンサート
4月12日 大阪大丸心斎橋劇場
6月1日 新宿ルミネゼロ