一発仕切り直し

昨日は東京への出発をキャンセルし、熊野に戻った。
先日の19号が気になったからだ。
近くの川湯温泉が、川の氾濫で床上浸水した。
これは、数年前の台風で、川底が上がってしまっていたからだろう。
地元の新聞を読むと、私の道場辺りは500㎜以上降ったようだ。
修理中の屋根が気懸かりで帰ったのだ。

迷うことなく突っ走れ!とは言うが、これは中々難しい。
私自身突っ走っているようだが、迷い多い人間だ。
ただ、とどのつまりになった時、「いったれ~!」となるだけだ。
ある意味で、慎重だともいえる。

先日の「明鏡塾」で、受講者の人達に「どうすれば広がるのか」と尋ねた。
色々な案は出るが、受講している人にとっては、今のままが良い、つまり、巷にあるような宣伝文句を使わないで欲しい、ということだ。
もちろん、私自身はそう思っている。
ここが私の「とどのつまり」だ。
結局は、私のやりたいようにしかやらないのだ。

広く浅い人が「明鏡塾」には関わって欲しくないのだ。
折角カリキュラムも充実し、それぞれの成果がどんどん出ているからだ。
そこに場違いの人が入ると、士気が弱まるし雰囲気が悪くなる。
それこそ「何も教えてくれなかった」というような書き込みをする人は要らないし、申し込んで欲しくはないのだ。

ベテランの治療家の人達は「一生学べるもの」と、意気込んでくれている。
そんな人たちと、お酒を飲み治療の話、感覚の話、武道の話をするのは、この上なく楽しい。
それは、それこそ確実に未来に向かっているという実感があるからだ。

医師の有り様、柔整師の有り様、理学療法士の有り様。
とにかく、医療従事者の有り様を飛躍的に進化させよう。
これが合言葉の一つでもある。
私が属する世界を変えてやろう、という野望は、実は患者さんの為でありそのご家族の為のものだ。
その一つに、10年間関わってきている特養があるが、ここは完全に独り相撲になった。
というのは、私が思い描いた医療従事者が一人もいなかったからだ。
ここで、一度仕切り直しに入る。
特養の常務と「お互いに歳だから、さっさとやろう」と、昨日誓い合った。

もちろん、問題は山積されている。
問題を解決するのは簡単なことだ。
難しいのは、問題を解決できる人材を育てることだ。
その特養をみていると、いかに「明鏡塾」に来てくれている人は優秀なのかが分かる。
そこに年齢は関係ない。
若い優秀な人、ベテランで深く考えている人、こういった人たちが交じり合うことで、新たな発想が生まれたり、新たな事業が生まれたりするからだ。
そんな人たちを育てることなど出来るのだろうか?

躾は簡単だが、躾直しは難しい。
イギリスにある言葉だが、その通りだ。

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