新しい稽古場
東京で稽古をしたいと思って東京へ来た。
最初は月2回のペースだった。
錦糸町で生徒の知人の道場を借りた。
和歌山・熊野から新幹線に乗り継いで上京。
当初は、かなりの人数が来てくれていたが、稽古の方法が皆に合わないから、減ったり増えたりの繰り返しだった。
一人も受講者がいない時もあった。
一人の時もあった。
その繰り返しで10年。
ようやくまとまって来たかな、と思ったところで引っ越しだ。
生徒の一人が田原町でスタジオを見付けてくれた。
そこで数年。
それから、現在の森下へ。
ところが、私自身の活動も時間の中で変化していき、医療従事者に向けての「明鏡塾」が主な活動となっている。
これとて、色々な場所を転々とし、現在では蔵前の診療所の一部屋をお借りしている。
この活動も、どんどん本格化し今後の展開が予測不能となっている。
そんなおり、探していた条件に当てはまる物件が見つかった。
神田だ。
ここなら交通の便も良い。
一緒に稽古が出来る「仲間」が増えることを祈って引っ越しを決めた。
ビルの地下、ただのコンクリートの箱だ。
ある時はオフィスに、ある時は他の業種に。
ただのコンクリートの箱が、中に入る人や仕事ともに変化する。
その只の箱を、本気で「道場」にしてやろうと思っている。
場を作るのだ。
私は、これまでそこまで意気込んでいなかったからだ。
古希を迎えて出発進行という中の一つだ。