人は気持ちと共に生きる
「明鏡塾」体験セミナーは7月16日です。
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度々紹介しているお義父さん88歳。
今日は、尼崎競艇まで足を運んだ。
大阪に住んでいた頃の、唯一の楽しみが競艇だった。
エンジンの音を聞き、水の匂いを、アナウンスの声を聞けば、今以上に元気になるかもしれない。
という思いから、鹿児島から大阪まで飛行機を使って来た。
7,8年前、原因不明の病気になり、主治医がステロイドを大量に投与した。
その副作用で、ますます身体は衰弱し、歩くことも困難になり、ついに病床に臥したままになった。
どんどん、食が細くなり「生きる」頼みの綱は点滴だけだった。
妻も家族たちは覚悟をした。
主治医を変えろ、と妻に何度も言った。
ところがお義父さんは、その主治医に気を遣って、変えようとはしなかった。
たまりかねて、妻が院長に直訴し主治医は変わった。
変わった先生は、容態を見て即刻ステロイドを抜くだけという治療に変えた。
とはいっても、もはや手遅れという感じがしていた。
何しろ点滴だけが生きる為の方法だったからだ。
身体中に湿疹が出て、それも本当に辛そうだった。
口数も少なくなり、痴呆が出てきた。
ますます、覚悟を強めた。
では、まだ目が見える間に大阪に連れて来よう計画した。
お義父さんをケアしてくれている、それぞれの療法士の方達、主治医、全員が無理だと言った。
しかし、道中どうなっても責任はこちらが持つから、ということで、昨年大阪見物に連れ出した。
「これが見納めだろう」皆が思っていたからだ。
しかし、昨年鹿児島に帰ってから、疲れも出ずにリハビリに励んだという。
「どうして?何がどうなったのか?」
87歳の1年は何だ?
お義父さんは、口から少しずつではあるが食べられるようになっていった。
今回、車いすへの乗り降りは、昨年と比べ物にならない位簡単だった。
身体に筋肉が付き、踏ん張れるようになって来ているからだ。
間違いなく、昨年の大阪見物が、こういった回復の原因だ。
それを一つの起爆剤として、お義父さんの何かが変わったのだ。
先ほど、家族や孫が揃って食事をした。
ビールを一口飲んだのだ。
そして笑い、孫たちと嬉しそうに話をしていた。
昨年からの1年。
どれほどのリハビリをしてきたか想像に難くない。
何がそうさせているのか?
何かがそうさせた時、人は確実に変化する。
理屈ではない、何かしらの気持ちだ。
あるいは、精神かもしれない。
孫たちは大喜びだった。
人は気持ちと共に生きるものなのだ、