さこば師匠が
関西の落語家桂さこば師匠が、脳梗塞で倒れていたのを知らなかった。
先月27日に倒れ今月11日には、入院中だが舞台に挨拶に出たそうだ。
もちろん、脳梗塞で倒れたと言っても、千差万別で一括りにはできないが、回復力の早さに驚く外はない。
人が病や怪我に倒れ、そこから復活する力には、何時もながら驚くとともに希望を持つ。
特に復活の早いのは、アスリートやさこば師匠のように、明確な仕事場を持つ人だ。
私の友人の歯科医師が倒れた時も、6ヶ月で現場に復帰し歯科医の仕事をしていた。
しかし、これを逆説的に考えると、仕事場があるから復活したのではなく、「そうしたい・しなければならない」という当人の意志の力が強烈に働いたからだといえる。
歯科医の友人は、手が少し不自由だとか、記憶が曖昧、という状態では、職人的技術を問われる歯科の仕事は出来ない。
その意味でも、完全復活をしたのだ。
ざこば師匠も、もう数カ月もすると、きっと完全復活をするだろう。
人間の持つ回復力や自己治癒力として免疫系の働きが有名だが、私は意志の力をそれに加えたいと思う。
私の母がガンで倒れ、余命1週間と宣告されたが、日常生活に復帰し1年間楽しく生きた。
これも意志の力だった。
もちろん、「そうしたい・そうしなければならない」と思ったのかどうかは分からない。
もしかしたら、もっと異なった思いがあったのかも知れない。
その意味でも、ここにマニュアルを持ち込む事は出来ないが、確かにある種の人は復活したり、奇跡的に回復したりするのは確かだ。
マニュアルを持ち込めないからこそ試行錯誤が必要なのだし、試行錯誤を繰り返すことが何かを誘発するのかもしれないのだ。
しかし、もしかしたら、試行錯誤ではなく直感的な何かが生命に作用したのかもしれない。
私は母ではないので、分かりようがないが、尋常小学校しか行っていない母は、試行錯誤ではなく直感だったのだろうと思う。
きっとシンプルな思考であり決断だ。
その意味で現代人的ではない。