きちんと負ければ次が

東京ワーク・ショップは6月2.3.4.5日です
http://hinobudo.wixsite.com/workshop/workshop-1
「失敗から学べ」という言葉があるが、「失敗からしか学べない」だと思う。
もっというと、きちんと失敗しなければ学ぼうとするものが手に入らないだ。
武道で最初にいうのは、「きちんと負ける事」だ。
これが一番難しい。
受けが取れたら一人前という言葉もある。
受けを取るのが上手というのは、いわゆる受け身を取るのが上手、というのではない。
当初は、単純なレベルでしか、その言葉を理解することが出来なかったが、身体が動くようになるほどに、身体の感覚が深く鋭くなるほどに、その意味が果てしなく深い事が分かった。
きちんと負けるというのは、相手の力が自分のどこに伝わり、どこへ届いているのかを身体で知ることであり、身体が「相手の力の通りに動くこと」だ。
負ける事の出来ない人は、どこかで逃げる。
倒れないように逃げてしまうのだ。
そうすると、相手の力と自分の身体との関係を分からないのだ。
それ以上に稽古にならない。
しかし、面白いことに逃げてしまう人に限って「あっ、そうか分かった」等とほざく。
あるいは、もっともらしい顔をする。
何をどう分かるというのだろう。
この稽古が足りているから、フォーサイスカンパニーのダンサー達は、一緒に動いた時に驚いたのだ。
力の流れが見える、という全く新しい動きの視点を、ダンサー達は欲しがったのだ。
負ける事を知っていけば、逆転できる隙間を体感として知ることが出来る。
そうすると、相手の力に対して、こちらの身体条件を変える事が可能なのだ。
条件を変えれば、相手の力と真っ向からぶつからなくなる。
この辺りが武道の真骨頂かもしれない。
この考え方は、色々と役に立つはずだ。
身体で考えるというのは、こういう具合に身体そのものの感覚を開発し、鋭敏にすることが入口である。

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