言葉と実体との間
アッという間に、明後日からフランス・ブリュッセルのツアーだ。
今回も、初めての土地に行く。
新規開拓と言えばそうなる。
ただ、昨今の情勢から移動したがらない人が多いので、こちらか出向くという感じでもある。
初めての地はGrenobleとRimodesuで2日間づつのワークショップだ。
新しいところでは、基本の胸骨操作から始める。
これは、私自身の稽古にもなるから、その意味では新しい土地大歓迎でもある。
「本当に基本はこれで良いのか?」そんな事を考えさせてくれる。
昨日、一番弟子の科学者とお茶を飲んだ。
その席で、科学者は「胸骨日記」なるものを付けているという。
数年前のモノを読み返したり、10数年前のモノを読み返したりする。
そうすると、自分の進化や成長が全く無いことに愕然とするという。
これは、私が30年前に書いたこと、40年前に書いたことを読み返したりするのと同じだ。
「言葉も自分とともに成長する」ということを、自分の書いたものを読む限り気付けないから愕然とするのだ。
厳密に言えば、書いてある言葉は、その時点での言葉だが、読んでいる自分は現時点だ。
だから、愕然とするということなのだが、実体は3年前、10数年前の言葉に追い付いているということになるのだ。
もちろん、実体と言葉が同次元であれば、何の問題も無いのだが、私達の場合は言葉が先行しているのだ。
そこから言うと、未だに40年前に書いた言葉を考え続けているのが私だ。
つまり、言葉を実体化するという作業をしているのだ。
もちろん、実体があって言葉が生まれる。
しかし、生まれた言葉は、読み返すという作業を通して、先行して行くこともあるのだ。
もちろん、逆に実体に追いつかない言葉も沢山有る。
大阪ワークショップは9月22,23,24,25日です。
https://www.hino-budo.com/workshop-schedule1.html