納得は劇薬だ

先日、道場を出た時、水が止まっていた。
大雨でホースのどこかが抜けたのだ。
一応、軽く見回ると、軽く見回れるところではない事が判った。
途中にある空気抜きの弁を全開にしておいた。
今日は、そこからスタートだ。
屋根修理をしようとして、材料を揃えいざとなると、別のところで緊急を要する事が起こる。
人生そんなものだ。
思う様にはならないのだ。
全ては流動的なのだ。
全ては刻々と変化するのだ。
その意味でも「思う様にはならない」としっかり認識しておく必要がある。
頭の片隅に、「思うようになる」という言葉が残されていると、それに囚われてしまう。
人とは、相当やっかいな代物なのである。
もちろん、そういった日々のグチャグチャを面白い、楽しいと思える回路を作れば良いだけなのだが。
こういった、「思うようにならない」という事は、本から学んだことでも、セミナーで知ったことではない。
人生の中で気付いていった事だ。
ただ、その気付いていったことを、言葉で表すと、というところで、武道に残る「居着くは死、居着かざるは生」という概念がピッタリくっついたのだ。
本から、セミナーから、これを学べないのではない。
そこに「納得した」、という状態がなければ学ぶことが出来る。
納得という状態は、行動を妨げる劇薬である。
学ぶというのは、自分の行動を通して追体験していく事だ。
納得というのは、その追体験を放棄することだ。
だから、納得は劇薬なのだ。
納得は、自分自身の持つ幻想を助長することはあっても、実際を明確にすることはない。
大雨が降り、緩んでいるジョイント部が抜けた。
それは、当たり前の事だ。
だから、大雨が降る度にもう少しジョイントを工夫できないかと考える。
しかし、逆に考えるとそのジョイントで外れたというのは、他のジョイントに負荷を掛けないということでもある。
そこが抜けて良かったのだ。
しかし、そこが抜けなければ、他の弱いところが発見できたかもしれない。
等々と考え方一つで、その出来事は同じでも意味や価値が変化する。
そういった視点を持つことが、「思うようにならない」が転化して「思うようになる」になるのだが。
そんなことを身体を通して学ぶワークショップです。
大阪ワークショップは9月22,23,24,25日です。

https://www.hino-budo.com/workshop-schedule1.html

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