触れることでの身体への影響
昨日は「明鏡塾」の体験セミナーだった。
南は沖縄、北は北海道からも受講してくれた。
理学療法士の学校の先生や薬剤師、看護学校の先生など、今回も医療に関わる多彩な顔ぶれだった。
特に、看護の先生は、「?」だらけだとそうだ。
それは、自分のジャンルだけの知識や実際の視点でしか捉えないからだ。
「禅問答のようですね」と笑っておられた。
特に、どうして小柄な女性である自分が、片手でしかも患者さんに負担をかけずに座らせる事が出来た事がショックだったようだ。
そういったショックを受けた人は数多い。
その人達は、キャリアのある人達だ。
逆に若い人達は、「そんなものかな」と淡々と受け入れていた。
どちらがどうとは言えないが、キャリアがあるから「それは無理だろう」と分かっているから、自分が実際に出来た時に、頭が混乱するのだ。
特に患者さんに負担をかけない、という点が一番の驚きだったそうだ。
ここは武道の独壇場だ。
つまり、絶対に相手に違和感を持たせてはいけない、という考え方が武道にはある。
相手に対する違和感は、そのまま相手が反撃なり、攻撃なりの手助けをしていることになるからだ。
手助けというのは、こちらの隙を見せた、あるいは、こちらへの攻撃のチャンスを与えた事になるからである。
もちろん、最後まで「起こす」を出来なかった人もいた。
しかし、皆からアドバイスを貰い成功した。
全員が「触れる」こと、「聴く」ことが及ぼす身体への影響を体感した。
この体験を、臨床の場で活かして欲しいものだ。
もちろん、直ぐに活かせる人と、時間のかかる人もいるだろうが、諦めずに磨いて欲しい。
「心技体」なる言葉があるが、それぞれは相互に関係しあっている。
だから、そのどれかが伸びると、それに見合った全体に向上するからだ。
番外編で、柔術の大会で優勝している人もおり、「聴く」の応用で「相手に付いて行く」を体感してもらった。
目をパチクリして大喜びだった。