成功の裏にあるもの
女子レスリングには泣かされた。
身体を動かされ、気持ちも動かされた。
人の本気の姿は、たとえテレビであろうが、伝播するのだ。
逆転金メダル、しかも3人とも。
3人の諦めない気持ち、切れない集中力。
しかし、表に出てこない多くの要素が、もっともっとそこにあるだろう。
ただ、会場で繰り広げられる試合では、その事が浮き彫りにされる。
もちろん、技もである。
そこには、「こうすればこうなる」があるのではなく、一秒足らずだが永遠の時間の中で、高速回転している潜在意識が弾き出した一瞬があっただけである。
彼女達の膨大な練習量、膨大な試合数。
そこに必ずある葛藤の数々。
それらが、その潜在意識に情報を蓄積させたのだ。
登坂選手は自分が負け、相手の選手が手を上げられている写真を、待ち受け画面にしていた。
もちろん、人それぞれに、自分に対する動機づけがある筈だ。
それは、自分自身が作り出すものであって、習って、あるいは学んで作り出すものではない。
もちろん、誰かが作り出してくれることはない。
全て自分一人の作業なのだ。
そして意識が作り出すものではない。
それこそが、人、自分そのものの生きる原動力だからだ。
オリンピック初出場の土性選手は、吉田沙保里選手のお父さんに習っていた。
「恐くて恐くて、嫌だった」と当時を振り返ったコメントがあった。
土性選手が「レスリングをやりたい」そして強くなりたいと思っていても、現実として目の前にあったのは厳しい練習だったということだ。
その厳しさが、夢を現実に引き戻し、更にその現実にある壁をクリアしていったから、夢を実現させたのだ。
あなたもこうすれば、成功する、という浮いた話など、実際の社会では有り得ないということである。
シンクロの選手は、一日12時間練習したそうだ。
目指すものが、あるいは、夢が大きければ大きいほど、それを実現させるためには、膨大な練習と工夫、そしてこころの葛藤が必要だという事である。
大阪ワークショップは9月22,23,24,25日です。
https://www.hino-budo.com/workshop-schedule1.html