運動には的確な指示が必要だ

例えば、目の前にある大きなダンボールを持ち、こちらへ移動をするとする。
あるいは、相手の襟首を掴み、体落としでも大外刈でも、何でも良いが相手を投げ倒したいとする。
そうすると、必ず腕全体、身体全体の筋肉が緊張する。
その状態でダンボールを持っても疲れるし、相手を投げようとしても投げられないという状態になる。
もちろん、元から腕力があれば別だし、相手が自分よりも体格が小さいとか、身体の力が弱ければ投げる事が出来る。
この体格差というのは、力としては相当の差になる。
だから、スポーツ競技では公平にする為に、体重別階級制になっているのだ。
この「腕全体の筋肉が緊張する」という現象は何故起こるのか、そして身体全体も緊張するのか、という問題だ。
それは、目的とすることから、その目的を実現する為にの間が無いからだ。
つまり、その目的を実現する為に「どうすれば良いのか」が抜け落ちているのだ。
抜け落ちているとどうなるか。
それは「ダンボールを移動しよう」という目的の言葉を唱えているだけ、思っているだけだからだ。
また、「相手を投げよう」と頭の中で言葉がグルグル回っているだけだからだ。
目的の言葉は、あくまでも言葉だ。
その言葉が頭の中をグルグル回る。
それは身体に対して「どうすれば良いのか」という指示を出していないということだ。
だから身体としてはどうしてよいのか分からない状態になっており、だから腕や身体が緊張するのだ。
それこそ人工知能を搭載したロボットではないが、自分が的確な指示を出さない限り、的確な運動は起こらない、つまり、実現できないということだ。
これらの場合、つまり腕を使う時は、「肘を使え」が鉄則だ。
もちろん、厳密には難しいが、試して見るくらいは簡単だ。
「肘」を使えば良いのだ。
もちろん、次は「肘を使う」が目的となり、その為にはどうするかが必要になる。

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