人は死ぬまで生きている
自由を手に入れる、というのは、フリージャズをやっていたからの発想だ。
フリージャズに拘っていたから、「それは、考え方がフリーではない」という事に気付いたのだ。
フリージャズの演奏に囚われてしまっていて、スタンダードなジャズやポップスの仕事は全て拒否していた。
その事が、フリー・ジャズとは一体どういうことだろう?という疑問が芽生えさせ、その事が自分自身の拘りに気付かせてくれたのだ。
思えば、その辺りから「自分自身へ」の探求が始まったのかもしれない。
そういう具合に、何かに疑問を持つことが、次へのステップになるのだ。
疑問ではなく、答えが次のステップになることは無いのだ。
どんなことでも答えを求めていれば、その答えが出ることで終了する。
同じように、目的というのもそうだ。目的を決めてそこへ向かう。
何れ達成できるだろうが、達成した時に次は無い。
次のある人は、目的という言葉を使っているが、どこかに疑問を持っているから、それを探求し続けられるのだ。
人は死ぬまで生きている。
それは寝たきりになろうが同じだ。
達者で動き回れるのでなければ出来ないようなことは、死ぬまで生きる自分にはそぐわない。
人それぞれ、色々な幸せがあるだろう。
その色々の中に、死ぬまで生きる為に私は「疑問を持つ」という幸せを手に入れたのだと思う。