自分を押し付けるな
他人のことを「もっとこうすれば良くなるのに」と思うことがある。
しかし、それは大きなお世話なのだ。
他人は私ではない。
だから「良くなる」ということも同じではない。
30数年前には内弟子が数人いた。
その内弟子達が、どうすれば成長するかを、夜を徹して考え話をしたり、稽古をしたりした。
そこで得た結論が、もっとこうすれば、と他人の事を考える事が「大きなお世話」だということだ。
どこまでいっても、「こうすれば良くなる」ということを理解できない事に気付いたのだ。
そして、結局、人は他人の話を聞かないということだ。
もちろん、聞くこともあるし聞かないこともあるということだ。
そこを突き詰めて考えると、当人が欲さない限り、耳は貸さないということだ。
私自身の事で考えても、私が「こうしよう」と思わない限り自主的な行動はしない。
しかし、その「こうしよう」というキッカケが、他人の言葉や本他、自分以外の場合も多々ある。
そんな事も考えると、当人が欲しているのかいないのかだ。
しかし、そこにある落とし穴があり、欲していると「思い込んでいる」場合があるのだ。
本当に欲していれば、他人に耳を貸すが、思い込んでいる場合は、耳を貸さない。
それは、思い込んでいるだけだから、自分の問題にリンクしていないからだ。
ということは、「他人の話を聞け」自分の問題から直接指令がと行き渡らないのだ。
誰でも何かを欲している。
ただ、それが「何か」が分からないのだ。
だから、色々と迷子になるし、情報に振り回される所以でもある。
しかし、「それも自分だから、それが実力だから、それでいいじゃないか」と思えるのか思えないのかだけだ。