ヘブライ語でkey to the Heartと呼ぶ

今回のプロジェクトは全体で4週間と長期に渡った。
これだけ長く、密度濃くClassicBalletの個人と関わったのは初めてだ。
打ち上げの席で、イスラエル人のダンスの先生が「胸骨のこの一点をヘブライ語
の医学書で調べたら、key to the Heartと呼ぶと書いていました」と教えてくれ
た。
「素晴らしい名前ですね。その言葉を使いましょう」と盛り上がった。
私が見つけたポイントにそんな名前がついており、しかも医学書の中にあるとい
うのが驚きだ。
「新しいことなど、どこにもない。ただ何気なく気づくだけだ」そんな事に気付
いたのは、20数年前だろうか。
まさにそのことを証明してくれた。
その意味で、常に自分は「井の中の蛙」状態だと認識しておかなければ、どんな
恥をさらすか分からない。
最終日は5番から「背骨の感覚を掴む」から入った。
マーサー・カミングハムの先生は「胸骨を」とリクエストがあった。
「駄目、後で」で大爆笑。
そこから縦系に入り、再び5番。
バンド・ストンプのメンバーの女性は、もちろんBalletダンサーではない。
しかし、昨日からの身体操作で、どんどんダンサーのポジションや姿勢と変わら
なくなっていく。
「きれいな姿勢になっているよ」というと、照れながら大喜びだった。
受講者の姿勢が決まって来るから、どんどん美しくなる。
最後の仕上げは「正面向かい合い」だ。
「昨日、相手の手を握る、というのをやったでしょう。それと同じで目で相手に
触れて下さい」一挙に静寂に包まれる。
これは凄いことだ。
どれだけ焦点を合わせる力が昨日だけで付いたか計り知れない。
バリエーションを含め次の休憩まで続けた。
そして、5番に戻り、今まで習った身体操作に正面向かい合いを加える。
Amyも受講者の姿に感動している。
たった数時間で身体が変わってしまう私のワークに、改めて脱帽をしていた。
ワーク終了後はレクチャーだ。
簡単な自己紹介から始まり、武道からみたBalletは、何が不足しているのか、に
ついて話した。
途中で、国の役人が受講者に、このワークの何が良かったのかを質問。
若い女性が「Balletだけでなく、人生にも役に立つと確信する」と嬉しいコメン
トをしてくれていた。
続いて「日野先生のレッスンの仕方は、今習っているBalletの先生と全く違って、
私の感覚を引き出してくれる。そしてリラックスしてワークに取り組め、今まで
にない美しい5番が出来たのを体感出来た。Balletの先生は、間違ったら駄目とい
うことを強調してくるから、どんどん身体が緊張して余計に間違う。本当に楽し
い2日間だった」
というような内容をしっかり話してくれたので、役人は感動していた。
レクチャーが終わってから、その女性に年齢を聞いて驚いた。
18歳だという。
皆それぞれに、素晴らしい感想を残してくれた。
これらは編集し終わったらyoutubeにアップされることになっている。
私としても、Balletに的を絞ったワークだからこその、身体操作の発見も多々あ
り、実りの多い2週間、4週間だった。
もちろん、教則本を書ける見通しはたったので、まとまり次第手を付けようと思
っている。
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