本当に結果が見えるワークだ

今日の撮影はAmyの生徒2人。
この二人は昨年のワークショップにも参加してくれていた。
二人ともカンパニーのオーディションに合格している。
しかし、保留やら一年の研修のような待遇だそうだ。
まあ、どう見てもガッツのありそうな二人なので、この時期を乗り越えるだろう。
撮影は基本的なEn bas(アンバー)を素材にした。
一般的な教室やBallet学校で習った姿勢から、胸骨操作や連動を交えた操作で作ったEn basの違いを撮影した。
これは一目瞭然だ。
誰が見ても明らかにただの形から、身体に強さや美しさが見える形に変化した。
Balletであれ武道であれ、一つの形がある。
その形から展開する為だ。
つまり、その形は始まりということだ。
もちろん、形として、あるいはフォームとしてはその通りだ。
しかし、私はその形を終わりだと考えて来た。
つまり、無から有を生じるという意味で、有であり形の出来上がりであり、終着点だとしたのだ。
だから、腕はどう動くのか、足はどうなのか等々の問題を解決していったのだ。
そこで、胸骨操作や連動、そしてそれぞれの連関という身体操作を発見していった。
そんな話をAmyや撮影のカメラマンにした。
二人とも「成程」と頷いていた。
Amyが「世界には色々なワークが沢山あるが、日野のワーク程驚異的に変化や成長が見えるワークはないよ、先日もティルマンとこのプロジェクトの話をしていて、そんな話になった。もちろん、ティルマンも同じことを言っていた。日本でもダンサー達は、そういっているのだろう」
「いいや、そんな話は一度も聞いたことがないよ」と言うと、カメラマンと共に目が点になってフリーズした。
「信じられない」
「いや、本当だよ」しばらくの間を置き、カメラマンが「日野のワークは自分を知っていなければ役に立たないと思う」と一言。
そして「習ったら何かできるとか、フレーズを習ったらダンスだと思っている人たちには無理かもしれないね」と付け足した。
「今から思えば、安藤洋子に本当に感謝だ。フォーサイスカンパニーに洋子が持ち込んだから、みんな日野と出会えたのだし、今こうやってプロジェクトが出来ているのだから」とAmy。
2005年にフォーサイスカンパニーで初めてワークショップをした。
その時、ウイリアム・フォーサイスと対談をし本になった。
そして、私の推薦文まで書いてくれた。
しかし、そんなことは日本では何一つ響かなかった。
ま、それは仕方がない。
役に立つ人にしか役に立たない。
どんな物事でも同じだ。
武道でも同じで、ヨーロッパでは響いているが、日本では響かない。
でも、このように海外へ出かければ役に立つのだから、それはそれで良いのだろう。

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