明日は帰国

指示されたことをする。
最初は、そのことを繰り返したり、動きが指示通りかどうかを確かめる為に、戻ったり止まったりする。
大体覚えたら、相手と組む。
その時に、「こうしよう」という動きに対する意志が働く。
同時に結果に対しても「うまくやろう」とか、武道の場合であれば「倒そう」というような働きが起こる。
そこをクリアするのは、相当難しい。
しかし、クリアしなければ相手に作用しない。
今日は、「とにかく笑え」という指示を出した。
大の大人がおどけるのは、少々難しい。
それでもそこを楽しんだ人は、笑いながら相手を投げ飛ばす。
投げ飛ばした本人は驚く。
投げ飛ばされた相手も驚く。
しかし、それも笑いの中にあるから、殺伐とした光景にはならない。
周りのものも釣られて笑う。
その相乗効果が生まれ、次々と出来る人が現れる。
今日の最後は、そういった方向も稽古をした。
どうしてみんな深刻になるのか。
誰にでも出来るようなことは教えていない。
それだけでも笑う価値はある。
また「如何に脳を騙すか」それが武道の技の根幹の一つでもある。
だから、身体の技術は高度になるしかないのだ。
直球一本勝負では、限界が来る。
そこを突破するには、もっと根本的なことを考えなければいけない。
武道は決して運動ではない。
意識や無意識的な反射、脳の働きとしての錯覚他を利用した技術だ。
パリでの3日間、声楽家のミユキさんと、表現について色々と語り合った。
「誰に聴かせるのか」それが無くて声がいくら出ても、あるいは、音程が完璧でも音楽ではない。
そんな事を指摘する「表現塾」やで、と盛り上がった。
帰国したら東京でのワークショップが始まる。
フランス人くらいのテンションの高さが欲しいものだ。

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