パリは土砂降り

あっという間に2日過ぎた。
常連の中国拳法の先生がもう一人連れていた。
ワークが終わり着替えて、ゆっくりしているとその連れの人が「日野さんのワークを受けたかったのですが、時間が合わなくて、やっと今日実現しました」と声をかけてくれた。
何と、パリ・オペラ座のダンサーだったという。
1972に入団、バリシニコフ時代で彼には大分教えて貰ったそうだ。
私の事は、同僚のダンサーや周りの友達から、ForsythCompanyに日本人が教えに行っているという話を聞いていたそうだ。
だから、私がパリでワークショップを開いている事を知った時、とにかくワークを受けに行きたいと思っていた。
この時通訳してくれていた、フランスで活躍する声楽家のユキミさんが、パリで宿泊しているところの話をすると、宿泊先の人達と友達だった事が分かった。
「地球は狭いね」ということで、ダンスの話や音楽の話で盛り上がった。
今回は何時もの9月のように、集まりが悪い。
初日の金曜日は、少ないから相当細かい稽古をした。
胸骨の上下、そこからの展開。1時間以上やったので、全員身体がバキバキ状態だ。
2日目は、初日の真夏のような晴天からうってかわって土砂降りだ。
何時も通るガードの下が、タイヤが隠れる程の水浸しになっていた。
全身の連動、縦系の連動からの展開。但し寝転んでだ。
いわゆるマウントで両手を上から押さえつけられているところからの脱出に縦系を使うのだ。
これも、全身がバキバキになる。
力んでバキバキではなく、ストレッチでバキバキだから、全員身体が思うようには動かなくなっている。
声楽のユキミさんも背中が動かないという。
「表現塾」の話をすると、それを受けてみたいという。
「煮詰まるよ」と大笑い。
「それをフランスでやればいいのでは?」と。
それも面白いかもしれない。
フランス人は日本人のようにめげないから、もしかしたら面白いことになるかもしれない。
今から、パリ最後のワークだ。
今日も、雨だという。
うっとおしい空模様だ。
パリを終えると、そのまま東京ワークショップだ。
時間が限られているだけに、何時も中身が半端ではないくらい濃くなる。
それも良し悪しかもしれないが、全部伝えたいという欲求があるから仕方がない。

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