目の前に作り出された壁の向こう
自分は何をやっているのだろうか、そんなことを考えさせられる。
世間でいう「やりたいこと」という切り口があるが、そんなことを真面目に考えたこともない。
「今、やっているから、やり続けているだけ」だからだ。
やり続けている中で、興味の湧いたことに向かっていく、そんな人生だ。
だから、「自分は何をやっているのだろうか」と時々頭をかすめる。
「やりたいこと」という言葉は、「やりたい」と意識が、あるいは判断が働いている状態だ。
私は「すでにやっている」がスタートで、決して判断して「やりたい」等と思ったことはない。
「いや有るか」、
それは全て失敗しているか、三日坊主で終わっている。
この体験が、大きく私の人生を変えてくれた。
つまり、自分の勝手には何も成さないということだ。
もちろん、それは武道での疑問から出ている問題だ。
簡単に言えば、「自分の思い通りに敵は攻めて来ない」ということだ。
武道を考えるというのは、競技ではなく、という前提がある。
社会生活そのものと同じだ。
ここからの結論や体験から、自分から「これをしよう」とはしない。
全て反応に任せる、ということを心がけている。
時々頭をかすめる時というのは、自分のやっていることと世間とのギャップが、現実として目の前に現れる時だ。
そんな時に「一体自分は何をやっているのだろう」となる。
そうなると、何かしらの動きを作らなければ前に進まない。
やっかいなのは、そこに判断を持ち込んでしまうことだ。
「自分の思い通りに敵はせめて来ない」にも関わらずだ。
ここをどうクリアするのか。
時々ぶつかる壁である。
この壁はきっと面白い事を見付ける為の壁だろうと予感するのだが。