気付かせてくれた人達

5年ほど前は、教室にもワークショップにも少ないながらダンサー達がいた。
その中で、一番近くにいた人達には、色々なことを伝えた。
その色々な事というのは、ダンスではなく表現や関係性という、表面的には誰でも知っている事の深層だ。
これはダンスや舞台ということだけではなく、日常そのものだからだ。
当然その中には、こころの中の葛藤や稽古法も含まれる。
しかし、結果としてみれば「日本語は全く通じていなかった」のだ。
それはどうしてか、と当時も今も考えている。
では、一括りには出来ないが、どうして言葉の通じない、外国のダンサーには通じるのか、となるとサッパリ分からない。
それは、私自身が対象とする相手を間違っていたから、という結論だ。
そして、日本人なら分かるだろうという固定観念に縛られていたということだ。
だから、国境を超え民族を超え、理解し合える人はきっとどこかにいるだろう、そんな淡い期待が、ワークショップや教室を続ける原動力になっている。
その意味で、対象ではなかった人達に礼を言わなければならない。
私自身の持つ固定観念の一つを教えてくれたのだから。

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