バレンシア4
どこにも行かずに部屋で夕食は無理だった。
「ビールを一本だけ」が結局10時30分になってしまった。
タパスのイカやポテトを少々食べただけで満腹だ。
やはり年なのか、余り食が進まない。
「もう明日は木曜日だ、時間が経つのが早すぎる」とみんな嘆いていた。
今回はどうして人数が少ないのかの理由は、バカンスのずれらしい。
7月の2週目にならなければ、学校も休みではなく仕事もある人が多い。
その為に、参加できる人は限られているそうだ。
それは仕方が無い。
来年は2週目なので、人数は相当増えるだろう。
昨日まで参加していた、沖縄松林流の先生も、来年は全部参加できるようにする、と言ってくれていた。
ある程度の年齢とキャリアのある人は、みんな優しい人ばかりだ。
素直に新しい身体の概念に驚き、積極的に取り組んでくれる。
昨日の夜の稽古は、体重移動のバリエーションだけにした。
すると、2時間もすると何とはなしに、3人掛けを全員こなすようになっていた。
これこそ、楽しみながら、ということの成果だ。
それぞれが、どんどんダメ出しをし、それぞれが悩み、それぞれが解決する。
解決した人は、どんどんアドバイスをしていく。
出来るようになっていくのが見えると、私が見本を見せる。
「全く違う」とみんな考え込む。
この繰り返しが、自動的に自分自身を成長させるパターンなのだ。
今日は、そんな話もしてみよう。
身体の縦系のストレッチと、身体をリラックスさせストレッチされた部位を思い出す。
その事で、身体はストレッチされた状態を作り出してくれる。
そういった事のバリエーションで、身体の働きの一部でも理解してくれたらと思いやってみた。
それらの発展形から、またまた多くのバリエーションを展開する。
訳が分からない内に出来ていく。
それが身体の働きなのだ。
「私が」は、あくまでも灯台に過ぎない。
そんなことを知った午前中の稽古だった。