雨のアムステルダム

初めてアムステルダムに来たのは38年前だ。
それを入れると4回目になる。
今回列車がアムステルダムの駅に着いた時、数年前とまるで変わっているのに驚いた。
美しくなっていたからだ。
近代的な建物になり、広々としている。
駅にはポールさんが出迎えてくれた。
小雨が降る中をホテルまで歩いた。
休むまもなくamyとワークショップの打ち合わせだ。
クラシックバレエに武道の基本的な身体操作としての身体の連動や連関、さらに立ち位置や相手の認識という要素を取り入れる為のワークだ。
これらを導入することで、現在のバレエの姿をより伸びやかに美しく、そして故障の少ない身体にしようとしているのだ。
バレエやダンスと武道のコラボということでは、大方は見た目の動きや形をダンスに取り入れているものばかりだ。
古くは合氣道のような動きから始まり、最近大爆笑したのは、ギエムが刀のようなものを持って、馬鹿みたいな動きをしていたものまで、多種多様にある。
どれもこれも「何のこっちゃ」だ。
形を混ぜたら「新しいもの」という陳腐な発想が理解できない。
それが少なくとも芸術と呼ばれるジャンルの人達の創造力だから話にならない。
私達がしようとしているのは、武道の要素をダンスという動きの基盤に置くというものだ。
武道の形ではなく構成する要素だ。
それは身体運動の為の基礎的身体認識とでもいうべきものだ。
もちろん、その要素を武道のワークショップでは紹介しているのだ。
だから、感性の鋭い武道以外のジャンルの人は、取り込んでくれるのだ。
今回のアムステルダムは、ほとんどの人が初参加だ。
それも仕方が無い。
頻繁に行っていないからだ。
しかし、いきなり肘の認識や、運動の起こりをキャッチする等高等な要素から入った。
案の定全員途方に暮れて、それこそ立ちすくんでしまった。
そこからが稽古だ。
つまり、自分の取り組み方の間違いを認識出来なければ、新しいものの考え方を自分自身に取り込むことは出来ない。
そこを体感してから「では肘のこの一点を感覚する」になるのだ。
そうなってからは、あっという間に時間が流れ、何時ものように「終わりです」だ。
終了後の懇親会にも、沢山の人が来てくれた。

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