即興はこれ
ワークショップの「関係塾」では、相手に動かされる、というワークをする。
言葉としては、ふ~んそんなものか、という程度のものだが、この実際は難しい。
というのは、一つに、動かす側の大方の人は、動く人の微細な抵抗をキャッチする、という繊細な感受性を持っていること。
一つは、動かされるといっても、自分の身体に与えられている指示を、身体では分かり難いことだ。
そういったことは、日常的ではない。
だから、相当の集中力を持って取り組まなければならない。
また、相手に動かされる、という事は、自分のクセで出来ることではない。
自分の日常的な動きでは、対処できないのだ。
そこを突っ込んで考えてみると、そこに即興性が養われる要素があることだ。
そして、それは自分にとっての新しい動きでもあるのだ。
また、日常に置き換えると、それは真摯に相手の話を聞くということになる。
ここには、言葉の意味を理解出来ることと、声が聞こえているという二つの要素があるので、自分の判断でしか相手の話を聞いていないのだ。
真摯に、ではない。
という意味において、相手の話を聞くというのは、動き同様に難しいのだ。
ただ、動きでは「いいなりには動いていない」ということが分かりやすいが、話になると途端にそれは難しくなる。
それがクセだ。
そういった、他人との関係の根本をワークする。
それらを習うのではなく、自分自身で気付いて欲しいのだ。
習うのと気付くのでは、天と地程の差がある。
習うというのは、単体の知識として完結されて終わるが、気付くというのは、自分のこころに響くことだから、それ以外の自分のことにも発展するのだ。
それが「関係塾」だ。
もちろん、先にいった「動き」に関しては、海外のダンサーや役者、日本のダンサーや役者達にも教えていることだ。
4月28.29.30.5月1日京都でワークショップがあります。
詳しくは
https://www.hino-budo.com/2014KyotoWS.htm