新しいタイプ
先日、佐藤オオキさんというデザイナーが、世界のデザイナーの憧れである「Designer of the Year」を受賞したそうだ。
何でも最年少記録という快挙でもある。
1977年生まれだから36歳かな。
飄々とした風貌で、常に100以上の案件を抱えて、頭はフル回転している。
私はデザイナーという名称、職業は、例えば、家具、例えば店舗、例えばグラフィックと分かれた個別のものだと思っていた。
しかし、そうではなかった。佐藤さんは、パン屋からお箸、家具他、とにかく何でもデザインする。
また、世界で活躍する人だから、いわゆるバリバリのやり手に見える人だと思いきやそうではない。
ただ、目だけはやたらとキラキラしている。
何でも大学の卒業旅行で訪れたミラノ。
そのミラノで何気なく入ったデザイン展で、モノ作りの凄さに圧倒されたという。
その展覧会に出展できるようなものを作り出展したところ、賞を獲得した。
イタリア人に声をかけられ、そこから仕事を貰うが、いくらデザインしたものを持っていっても駄目だしをされた。
佐藤さんは帰国後、毎月デザインを数十点考え、ミラノに持っていこうと決意、6ヵ月後そのイタリア人に認めて貰った。
そのデザインは世界的なヒットとなったという。
佐藤さんは、自分の成功について、結局良いアイディアや閃きではなく、情熱が有るか無いかだと言う。
佐藤さんを世界に出した、そのイタリア人も同じように情熱だと言う。
佐藤さんのデザインする秘訣は「子供の目、白紙の目」だと言っていた。
その為に常に頭をリセットする必要がある。
だから、休日は外に出ずに、何もしない日にしているそうだ。
佐藤さんを見ていて、ミナ・ペルフォネンの皆川さんを思い出した。
優しそうな物腰、少年のような口調。
しかし、人並み外れた情熱を秘めた目。
そんな事が共通しているのではないかと思った。
別の言い方をすると、アメリカナイズされたビジネスマンの姿ではなく、日本的な香りが密かに漂う姿だ。
全く新しい人種のような気がする。
次の時代を担っていくのは、そういう人達だろう。
ミラノと言えば、ミラノで活躍するジュエリーデザイナーの小川智子ちゃん。
彼女も新しい日本人だ。http://www.tomokissima.com/
そういった、若く素晴らしい人の活躍が、逆に私のような年齢を刺激してくれる。
そんな目に見えない関係の中で、何かが活性化するのだろう。