情熱の連鎖

フィギアスケートは渡辺絵美選手が脚光を浴びていた時代や、伊藤みどり選手が活躍した時代に興味を持ったが、とにかくジャンプの着氷で転倒する選手が多く、安心して楽しめなかった。
みんな難度の高い事に挑戦していたからなのだろう。
それ以降、素晴らしい選手が沢山出ているが、何か時代が変わったというか、何か違う世代になったのでは、と感じたのは浅田真央選手がテレビに登場した時だ。
スケートが好きだ!というエネルギーが演技の全て、身体の全てからほとばしっていた。
そういった事は、常にどのジャンルでも起こる。
昔はそれほど頻繁に、そういった世代というか時代の変化は起こっていなかった。
メディアの普及からネットの普及、そういった情報の普及が、時代を変えていっている。
素晴らしい選手や人が登場したら、必ずそういった人達に影響を受ける人が生まれる。
そういった人達が、レベルを変えてしまうのだ。
女子体操競技も、ルーマニアのコマネチ選手が登場し、難度がいきなり上がった。
飛び石遺伝ではないが、現在活躍している様々な分野の人達を見て影響を受け、育ってくる人達がいる。
だから男子体操でも、今後内村選手を超える選手が生まれてくるのではないか、と期待する。
それらの連関作用は、きっと太古の昔からあるのだろう。
連関させるものは、一体何なんだろうと思う。
どんな要因がその作用を引き起こすのか。
理屈や理論ではなく、無邪気なこころではないか。
渡辺絵美選手は、ジャネット・リン選手を見て、「次はわたし」と思っていたそうだ。
しかし、無邪気なこころの実現には、人並み外れた努力や工夫を伴う。
だから、その連関作用はそういった努力や工夫の連関でもある。
そして、それらを客観的に捉えれば、情熱の連関作用といえるだろう。
そういった、それこそトップアスリート、時代を牽引する人達を見ていると、何かしらの力が湧いてくる。
それぞれの人が、それぞれの世界で何かしらの力に変換する。
情熱は常に変化をもたらすものだ。
浅田真央選手は、来年のオリンピックで選手生活を引退するという。
残されたグランプリファイナルや全日本選手権等3試合。
そしてオリンピック。
結果はどうであれ、「私は出し切った」という演技で幕をおろしてもらいたいものだ。

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