一生懸命

中途半端と一生懸命の違いは何だろうと考えてしまう。
ある人にとっての一生懸命を、違う人から見れば中途半端だと見えることもある。
また逆に、自分では中途半端だと思っていても、他の人からは一生懸命と見られることもある。
そうなると、一体一生懸命とは、どんな状態のことなのか、と考えてしまう。
中途半端と言うのは、逃げ道のある状態だと言える。
弁解の余地を持ちながら、そのことに取り組む事。
一生懸命と言うのは、背水の陣、つまり、弁解の余地を持たない状態だ。
また、中途半端と言うのは、何かに取り組みながら余計なことが頭の中をグルグルと回っている状態。
一生懸命とは、取り組んでいることも頭に無い状態だ。
昨日、NHK杯後のインタビューで、浅田選手が「5歳からスケートしかしていないので、何も知らない」と書いた。
そのコメントこそが、浅田選手の一生懸命の証だ。
一生懸命だったから、何も知らないのだ。
だから、現在のあの高度な技術があるのだし、純粋な精神も保っていられているのだ。
5歳からスケートしかしていない、と言い切れるのは凄い。
というのは、5歳からスケートをやっていた人達は沢山いるだろう。
また、浅田選手のファンでスケートを始めた人達も沢山いるだろう。
しかし、「私はスケートしかしていない」と言い切れる人は少ないだろう。
もちろん、趣味の人は別だ。
「真央ちゃんのファンでした」と語っていた村上佳菜子選手。
彼女も「スケートしかしていない」と言い切る一人だろう。
人には、それぞれやるべき事がある。
そのやるべき事に出会ったら、あるいは見付けたら、一生懸命が最大の武器になる。
しかし、一生懸命は、やろうと思っても出来るものではない。
一生懸命になってしまうものなのだ。
そう言えば、子供の頃親から「一生懸命しなさい」と言われたのを思い出した。
いくら言われても、やった試しは無い。
一生懸命は人から言われてやれるものではないのだ。

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