何も知らない

浅田真央選手がエキビジョンが終わってから、高橋選手と二人でインタビューを受けていた。
最後の質問ということで、確か「今度生まれ変わったらどんな事をしたいですか」というようなニュアンスでの言葉があった。
両選手とも、自分らしい答えをだした。
浅田選手は、５歳からスケートだけしかやっていないので、何も知らないから、もう一度浅田真央を生きたい、というような答えだった。
それを聞いて、思わずその通り、と感心した。
しかし、逆に言うと、真央ちゃんはスケートだけをやれている幸せだし、知る必要の無い事、つまり、自分とは関係の無い事を知らないのだからそれが一番なのだ。
後は、これからの真央ちゃんが、色々体験していけば、自ずと知る事が沢山ある。
だから、それでいいのだ。
いくら色々な事を知っていても、自分とは関係の無い事であれば、何にもならないからだ。
大方の人は、知らなくても良い事を沢山知っている。
結果、その知らなくても良い事に、自分が振り回される羽目になっているからだ。
子供っぽいと言われようが、現在の真央ちゃん自身が、等身大で答えられる事が素晴らしい。
大方は、「こう答えたら、どう見られるのか」というような、それこそ世間体ばかり気にして、実際の自分の姿を晒そうとはしない。
しかし、実際は、その晒そうとしないということが見えているのだが。
それすら気付かない感性だ。

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