観察眼と言葉
身体の動きを言葉で説明するのは難しい。
もちろん、単純運動であれば話は簡単だ。
しかし、その仕組みを使うとなると、例えば「身体の側面を伸ばす」と言っても、どこからどこまでが側面なのか、伸ばすというのは、どの程度なのか、等々、それを指示する人と、指示される人の感覚の違いや、レベルの違いがあるから難しいのだ。
もちろん、それは面と向かっていても難しい。
また、その感覚というものも、ほんとに感じられているのか、感じようと思っているのか、の誤解もある。
見ているものも、見えているものも違う。
だからこそ、指示し、指示され、そこに現れたものがどうなのか、から考えられなければならないのだ。
こちらの意見を、単に指示しているだけでは結果は出ない。
そのことは、アマチュアの、例えば、高校生のスポーツ選手からプロの選手まで、同様だ。
だから、コーチは難しいのだ。
いくらコーチが優れていても、選手がそれを吸収できなければ、あるいは、その反対であっても、良い結果は生まれない。
そこに必要なのは、やはり言葉だ。
観察眼と言葉。
これが備わっていなければ、サポートは出来ない。
そんなことを教室やワークショップで、つくづく思う。