殻は破れない
自分の殻を破る、というのは、自分に殻があることを分かっている、あるいは気付いている人しか破れない。
分かっていても、気付いていても破れない人もいる。
その差はどこにあるのか。
それは切羽詰っているのか、いないのかの差だ。
若くても気付き破る人もいる。年を取って気付いていても破れない人もいる。
殻を破らなくても、充分日常を楽しめるし、仕事も出来るからだ。
自分が子供だと分かる必要も無いし、分かる機会も無いからだ。
それは世間全体が、子供風だから仕方が無い。
となると、熟成された価値など、理解出来る筈も無い。
子供には熟成など無いからだ。
かくて文化は衰えるのだ。
人は自分自身の年齢と、精神が同等に育っていると思い込んでいるのだ。
そんなことは有り得ない。
自然成長的に成長するのは、精々思春期迄だろう。
それは、その時期特有の様々な葛藤があり、それにふさわしい喜怒哀楽を育むからだ。
死を決意するくらい悩む事も有るだろう。
しかし、それを過ぎると、精神的成長は止まる。
ここからは、自力で成長させなければならないのだ。
それを怠ると成長は止まったままだ。
だから、中学生か高校生辺りの精神状態のまま、30歳であり40歳になっているのだ。
今、世間を賑わしている、メニュー偽装か誤表示かの問題で、社長が反論しているが、その顔や話を聞いていると、ここで言う思春期そのままだ。
中学の時、こんな顔をした奴がいたな、と思い出した。
89回目の「武禅」レポートをアップしました。
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