この作品を受け止めるだけのものは持っていない

秋の「武禅」は10月12,13,14日です。
https://www.hino-budo.com/buzen1.html
2年前、岡山でコンテンポラリーダンスの公演をした。
「なんじゃ、これ?!でも凄かった」
という感想が大半だった。
もちろん、それはこちらが意図したものだ。
つまり、演出だ。
観客から、どんな感想を引き出すか、そこを明確にするのが演出の役目だ。
その意味で、大成功の公演だった。
今回の岡山でのワークショップに、その公演を見てくれた人も沢山受講してくれていた。
その内の一人に、PCのプログラマーを職業とする男性がいた。
その男性は、基本的には文学好きで、中でもロシア文学を中学の頃から、こよなく愛しているという。
彼は、ある問題を抱えていた。
それは、音楽と映像、音楽と舞台の関係性への疑問だ。
その問題を思索している時、岡山公演のチラシを目にし、足を運んでくれたのだ。
幕が開き、俳優の平岡さんが舞台中央を横切って行く。
そのシーンにノックアウトされたという。
その公演を見て、上記のショックと共に
「私にはこの作品を受け止めるだけのものはない、もっともっと鍛えなければ」
と感じたという。
まことに嬉しく有りがたい感想だ。
しかし、2006年からショーケースも含め、10数回公演をしているが、そういった感想を聞いた事が無い。
本当に素直な感性を持っているし、自分に対する見極めも素晴らしい。
大方は、自分を棚の上に置き語る。
打ち上げの時、その彼に「皆に話して」と促した。
皆も彼の話を聞き終え、ため息と共に深い沈黙が時を支配した。
聞き手の感性も素晴らしいのだ。
そんな受講者が沢山いることに喜びを感じた。
話した彼の風貌からは、そういった言葉が出るとは夢にも思わない。
それもインパクトになったのだ。
「武道家が語る人間関係の極意」
久しぶりの講演会です。
近畿地方の方は、是非お出かけください。

http://ilt.jp/extra01/entry.html

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