ワークショップも反復

■東京ワークショップ
9月14,15,16,17日

16.17日は、表現者の為の特別教室です。
場所も、何時もの新木場マルチスタジオです。
https://www.hino-budo.com/2013TokyoWS.htm

東京ワークショップの初日は、ゆったりとした時間で始まった。
定番の胸骨操作からだ。
初めて参加の方が多数いたので、説明から始めた。
青年団の役者さんが、全コマ参加してくれているので、今ワークショップで役に立つ何かを掴んで帰って欲しいものだ。
後半の表現者の為の「表現塾」には、京都からも俳優の平岡さんが参加してくれる。
であれば、最終日の最後に実験的な何か出来ないかな、と思案中。
常連の人達は、ワークの難しさをしっているから、頭を悩ましながらもやけくその笑顔で取り組んでいた。
「関係」ということを、改めて表に引き出し、それをワークするというのは、ある意味で無茶苦茶だ。
つまり、自分では無意識的に「関係されている」と思っている事を、根底から覆してしまい、新たな要素で組み立て直さなければいけないからだ。
その難問題に、たった5日間のワークで向かうのだから、無茶苦茶だといわざるをえない。
しかし、ワークが進むにつれて、「リアルな関係」に触れて変化していく。
「その作業そのものが関係であって、表面的な状況が関係なのではない」という、実際に共鳴してくれる。
ボディワーク等の先生をしてくれている女性が嬉しい話を聞かせてくれた。
数年前「武禅」に参加して、この関係ということをつき付けられたのが、こころを動かされた。
そして、しばらく勤めていた会社を辞め、今の仕事に変わったという。
話はそれではなく、「武禅」で徹底的に取り組んだ「正面向かい合い」だ。
夜会社を終え暗い道を歩いていると、後ろからゲンチャリが、同じスピードでつけてきた。
明らかに自分を付けていると感じたがどうしたものかと思った時、反射的に後ろを振り返りフルヘースをつけた男と正面から向かい合っていた。
多分数十秒くらいだったが、自分が微動だにしなかったのが不思議なくらいだったそうだ。
ゲンチャリの男は、その女性の脇を駆け抜けて行ったので、事なきを得た。
怪我が無くて良かった、という話だ。
きっと、その女性の意識や感情がブレない事に、不安を感じ男は走り去ったのだろう。
人と真正面から向き合う、意志が向かう、意識や感情がブレない。
という姿勢は、誰が見ても凛としている。
美しさもさることながら、強さも兼ね備えているのだ。
今日は、ワークショップ二日目。
飛び込みの申し込みが入って来る。
新しい人が参加してくれるのは、常連の参加者にとっても新鮮な刺激になる。
人は出会いの機微で変化する。
そんなことも体験して欲しい。
反復練習の重要性を書いたが、つまるところ、どんなことでも自分自身が独自の練習方法を見付ける事が出来るか、あるいは編み出す事が出来るかが、上達成長のカギだと言える。
言われた事だけをいくらやっても、そこから言われた事の本質を見つけ出すには、現代時間で生活しているので無理だからだ。
つまり、社会そのものや頭の中が、人が作り出した、デジタル時間に洗脳されてしまっているから、「10年かかる」とか短くて「3年はかかる」などという時間は、現実離れしているように思えてしまうのだ。
もしも、「え~3年も」と思うのであれば、その時点で、取り組む対象のものから、何かを得ることを諦めているのと同じだ。
だから止めた方が良い。
日本でもそうだが、外国では「胸骨操作が出来るようになるには、3年から5年はかかる」と私はいう。
もちろん、ただ単に胸骨を操作するだけのことなら、毎日1000回や2000回やり、半年もすれば動くだろう。
しかし、大事な事は、その胸骨操作と肘や背骨、あるいは、様々な動きと連関させて考えられるようになることだ。
その事が自分自身に定着するには、それくらいの日月が必要なのだ。
現に、フランスに来る常連の人達は、たかだか年に3回か4回しか一緒に稽古が出来ないが、5年6年という時間で胸骨は動くようになっているし、胸骨操作を様々な稽古で使えるようになっている。
きっと毎日練習を積んでいるのだ。こればかりは、やらなければ絶対に出来ないことだからだ。
そして、身に付けば、それは一生の宝物になるものだ。
日本でワークショップを初めて8年。
8年前に参加してくれた人は、今はどうなっているのだろうか。
そんなことも考えてしまう。
もちろん、反復練習をする対象のモノが、何の精神性も精神や心理の成長を含んだ技術ではないもの。
自分自身の成長と共に、深さを認識されていくのではないもの。
あるいは、そういった思考を駆使しなくても良いものは、その限りでは無い。
形だけで良いもののことだ。
もちろん、その逆に、そういった形だけのものでも、そこにそういった人間の高度な能力を持ちこむ事は出来る。
そこが人間の面白いところなのだ。
人それぞれとは、よくいったものだ。
●会場は広いので、飛び込みで参加されても余裕で大丈夫です。

秋の「武禅」は10月12,13,14日です。
https://www.hino-budo.com/index.html
中段お知らせから入ってください。
■1年ぶりの岡山のワークショップです
9月21.22.23日です
西日本の方は是非参加して下さい
http://workshop.digiweb.jp/

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