自分を大切に

ここ数年、特養の幹部達を研修している。
ジワーッとではあるが、底上げはされて来ているようだ。
しかし、研修を受けて見違える程、成長したのは一人の女性だった。
その女性は、研修の時間でも積極的に質問をするし、「自分がやれるようにならなければ、何も分からない」という事を理解するようになっていた。
その女性が統括する施設は、彼女を中心にまとまり、ケースバイケースの対応、対処の仕方をきちんと口伝され、まとまっているという。
来月に研修をするのだが、その打ち合わせの中で聞いた話だ。
組織になると、色々な意味で責任の所在や、役目についての自覚の有無が曖昧になる。
それは組織にとってもマイナスだし、その人個人にとってもマイナスだ。
打ち合わせをする度に、様々な問題点を聞き、それに対応した研修プログラムを考えるのだが「無理」だ。
無理だというのは、それぞれの個人の能力が、ここ10数年でどんどん落ちていっているからだ。
自分で考える、ということの出来ない人達が大半なのだ。
組織にとっての人材ということではなく、個人の能力が落ちているので、それこそ躾けから、あるいは、考え方から教えなければならない。
学校そのもののシステムが、現実対応できていないからでもある。
その男女差を見ていると、女性の方が優秀だという。
もちろん、個人差はあるが、一般論に置き換えれば、ということだ。
打ち合わせでも、いっそのこと、幹部を全部女性にした方が良いのでは、と真面目に考える。
これまで、様々に組織のシステムをいじってきたが、ここに来てもっと抜本的に考え直さなければならないのではないかと思う。
現在の日本の現状、あるいは、学校を出て就職する人の質を見た時、従来の組織システムでは、全く機能しないことになる危惧がある。
それぞれの役目と言った時に、そこには必ずグレーの部分があり、そこは個人の能力が補って、あるいは、補い合いをすることで、組織は保たれて来ていた。
しかし、そのグレーの部分を考えられる能力が、ほとんど育っていない人が就職して来るからだ。
それは、今に始まったことではない。
研修を続けている幹部達の年齢の主流は、殆どが30歳代後半から40歳代だ。
この特養の研修初日が終わり、打ち上げの時「こいつら全員メンバーチェンジや、もっと優秀な奴がいるやろ」と言ったことを思い出す。
どの企業でも人事担当がいる。
これからは、現在以上にその人達の眼力を問われることになる。
もちろん、何時の世もそこが一番大事なのだが、殆どの企業は、頭の硬い人観る目の無い人が、人事を担当している。
実際は、就職させた人間に責任を取らせるべきだ。
そういえば、昔、超有名企業の幹部研修をした時、
「こいつを就職させた奴手を上げろ、社長、こいつを首にしろ」
と怒鳴ったことを思い出した。
人材、つまり、人の持つ能力は、その人にとっても、社会にとっても大切なものなのだ。
ゆめゆめ自分をおろそかにしないで欲しい。
それを祈るばかりだ。
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