自己否定も、そのままでいいも、なんじゃそれ

約束稽古は、難しい。
この次に何をするのか、どう動くのか、相手はこう動く。
約束だから、全てのことを知っている。
そうすると、人はどうするのかと言えば、次のことを、例えば、次にある動作で倒れるとすると、「倒そう」が働く。
だから、最初の動作は、次の倒す為に、となる。
そうなると、本当は最初の動作があるから、次の動作が起こるという、当たり前の事にならない。
受けを取る側の人も同様だ。
どうなるのかを知っているから、最初から倒れないような踏ん張り、倒されないような位置へと、全く違う動作になってしまうのだ。
当然、最初の動作が完璧には出来ない。
そうしている自分に、何時になれば気付くのだろうか。
出来なくても良いから、嘘をつかない。
これが出来ない限り、その動きは応用として使えないのだ。
つまり、一回一回、一動作毎、一からやる、初めてのようにやる。
「今」という事の連続でなければいけないのだ。
これが私の道場での稽古だ。
常に次に意識が向いてしまう自分。
うまくやろうとする自分。
倒そうとする自分。
倒れまいとする自分。
出来たと思いたい自分。
そんな色々な自分があるのだが、それに気付く事が稽古だ。
肘から動かす、といっても、拳から動かす自分。
あるいは、どこから動かしているのかに注意を払えない自分。
自分が何をしているのか分からない自分。
身体での単独の練習でも、そんな色々な自分に直面出来る。
巷には「そのままでいいだよ」というような言葉が流行っている。
もちろん、深いところではその通りだし、当たり前だ。
しかし、そんな色々な自分に気付いた時、「そのままでいいわけないやろ」だろう。
また、「自己否定をするな」というのも流行っている。
これも同じだ。
自分を否定することなど出来ない。
否定したところで、遺伝子など変化するはずも無いからだ。
しかし、同様に、そんな自分を否定せずに、どうしてこれらを改善できるというのだ。
心底、そんな自分が嫌になるから、リバウンドが起こり改善されていく。
欲求が、感情が、爆発するから、一瞬にして人は変化するのだ。
それが脳のメカニズムだ。
ゆめゆめ心地よい言葉に振り回されるべからずだ。
■88回武禅、参加者のレポートをアップしています。
■福岡ワークショップは7月12.13.14.15日です。
https://www.hino-budo.com/index.html
いずれも「お知らせ」からリンクしています。
■沖縄キジムナフェスタ・ワークショップ
7月20.21.22日です。
■ 9月13,14,15,16,17日、定例の東京でのワークショップが決まりました。
場所も、何時もの新木場マルチスタジオです。

詳細は後日webページで

Follow me!