人は変わったのか

先日の「二郎は鮨の夢を見る」だが、二郎さんは小学校に上がると同時に、割烹に奉公に出された。
家に帰ってくるなと。
現代なら児童虐待だ。
二郎さんは「自分には帰る家が無い。だからここで頑張らなければ」と自覚していた。
学校から帰ると、掃除や洗い物やお使い。
毎日寝るのは12時を回っていたそうだ。
もちろん、給金は無い。
奉公だからだ。
しかし、10歳位になると、出張料理を任されるようになった。
忙しくて手が足らなかったから、包丁を使える二郎さんに「やれ」ということで、出かけて行っては料理をしたそうだ。
もっと忙しい時は、一日に3件も4件も掛け持ちをしたという。
現代の10歳の子供では考えられないことだ。
しかし、では子供は退化してしまったのか、というと、私はそうではないと思っている。
子供だと思っている親や周りが、現代のひ弱な子供に作り上げているだけで、子供そのものは、難しい要求にも応えられる力を持っているのだ。
もちろん、二郎さんのように、強い精神力も持っている。
ただ、周りがそんな子供を望んでいないから、そうならないだけだ。
その時代、借金のかたに売られた子供達も沢山いた。
私の知り合いでも、小学生の時に売られたという男性がいた。
一応小学校に行くが、用務員さんの手伝いをかって出て、小遣いを稼いでいたという。
とにかく、あらゆる場面で生き抜く為の工夫をしたそうだ。
だから精神は強いし頭が良い。
知り合った当初は、小さな会社だが社長をしていた。
時代は変化していく。
服装も食事も、周りの道具も何もかも変化していく。
しかし、人そのものは何一つ変わってはいないのだ。
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