ワークショップでは

「胸骨操作」が身体運動の核になる。
ということを発見したのは、27.8年前だ。
それは武道を探求していて、ぶち当たった言葉がキッカケだ。
それは「丹田」であり、「腰が大事」という言葉だった。
その意味が分からないから、身体で考えていった。
もちろん、あちこちには意味不明の言葉はあったが、文字通り意味不明なので相手にしなかった。
だから、明確な答えを導き出せなかった。
それではと発想を転換し、当時突きや刀、受けの形に徹底的に用いていた、肩甲骨の稼動領域を広げるの視点を変え、胸骨操作とした。
その事で、背骨の運動に始まる上半身の「連動」を確かなものとしたのだ。
そこから、上半身が身体運動の全てをリードするのでは、という仮説を考え出し、実験を重ねていったのだ。
一口に「胸骨操作」あるいは、「胸骨の運動」と言っても、そういった様々な実験を経て、身体に植え付けていった。
ワークショップでも教室でも、ずっと「胸骨操作」がメインだ。
しかし、この「胸骨操作」を完全に身体で把握しているのは一人しかいない。
それもアスリートとか格闘家、ダンサーというのではなく、医学博士で科学者だ。
彼は学生時代、カヌーのスラローム競技をしており、その時からの付き合いだ。
その時「胸骨操作」を徹底的に練習してもらった。
多分、練習量は誰よりも多かった筈だ。
その甲斐(?)あって、スラロームよりも身体に興味が湧き、選手を引退した。
今では、自転車ではサイクリングクラブの人達に指導したり、色々な範囲に応用を広げている。
よく、教室やワークショップ以外の場所で、私の言う「胸骨操作」や「身体理論」を教えているところは無いのか、と聞かれる。
一つは長崎http://rbchinoriron.web.fc2.com/index.htmlだ。
一つは、まだオープンにはしていないが、東京で毎週土曜日に稽古をしている。
「胸骨操作」から派生する身体の連関、連動は、いわゆる身体として自然な動きだ。
しかし、我々は様々な固定観念や、様々な生活習慣としてのクセ、また文化的価値観を持っている。
むろん、それが有るから日常生活をおくれるのであって、決して間違っているのではない。
ただ、身体から見たときに、それは自然な動きではないのだ。
そこを、武道という形式を用いることで、気付き向き合っていく。
何時そうなるのかは分からない。
しかし、そうならなくても身体に、新しいクセとして定着させれば、様々な可能性が見えてくるものなのだ。
外国でその日野理論を教える時、何時も言うのが
「身体は平等に天才だが、それを意識やクセ、固定観念が阻害している」
のだと。
9月15.16.17.18.19日東京ワークショップ
https://www.hino-budo.com/

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