ダンサー楠田健造君

ダンサー楠田健造君http://www.nato.jp/sengiku/kouen/kenzo.html
数年前、アムステルダムで振り付け家エミオ・グレコのカンパニーに招聘され、ワークショップを開いた時に出会った。
今回、福岡で顔を見た時は驚いた。
てっきりアムステルダムで踊っているものだと思っていたからだ。
聞けば、彼の故郷が福岡で、久しぶりに里帰りをしたそうだ。
丁度、私がワークショップをやっていたので、急遽申し込んでくれたのだ。
実は健造君とは、2006年スパイラルホールで行った、安藤洋子さんと私とのワークショップに来てくれている。
その時は実験的にショーケースを行い、出演者をオーディションで決めた。
健造君は見事にそのオーディションに落ちた。
「どうして落ちたのですか?」
「顔が悪いからや」
そんな話でも盛り上がった。
健造君と今回は飲み会も含めて相当時間を共にした。
とにかく頭の回転が早い。
それが小気味良いので、どんどん突っ込みを入れ困らせた。
大方の場合、くだらないことを言うと「どういうことですか」と聞き返すのだ。
くだらなさが全く伝わらないから、間を共有できないのだ。
まるでシャレの意味を聞くようなもの、シャレの意味を説明しなければならない、ようなものだ。
こいつの頭はどうなっているのだ?というくらい話にならない。
ところが、健造君は間髪を入れず、そのくだらなさに乗り、尚且つ増幅する。
頭の回転の成せる業だ。
これ程愉快な若い人は珍しい。
ワークショップの中で、誰かが私に質問したとする。
私は「健造君通訳!」と叫ぶ。
彼は何のためらいもなくペラペラと喋りだす。
それに私が突っ込みを入れる。
またボケる。
その事で、周りは爆笑の渦になる。
まさに周りを楽しくするのだ。
そんな発想の豊かさと頭の回転の早さが、彼の作品になっていくのだろうと想像出来る。
そして何よりも、人としてちゃんと育っている。
幼い自意識のままの連中が多い中で、彼のようにきちんとしている人間は珍しい。
そんな人柄が、きっと外国でも活かされ、周りの人から信頼されているのだろうと思う。
頑張って欲しいものだ。
7月28.29.30日沖縄ワークショップ
9月15.16.17.18.19日東京ワークショップ
https://www.hino-budo.com/

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