パッキャオ戦

昨日世界6階級制覇王者のマニー・パッキャオが、7年ぶりに敗れた。
試合結果はどうでもよいが、良い試合というのは見ていてスリルがある。
それがたとえ打ち合っていなくてもだ。
二人の醸し出す緊張感は、観客も飲みこんでしまう。
どうして、そう見えるのかを、今回はそこを徹底的に観察した。
打ち合っていない時、例えばジャブの応酬や、フェイントの連続のような時だ。
そんな時でも、緊張感は無くならない。
それはお互いの気持ちと言うか意思と言うか、その全体が一緒に相手に向かっているからだ。
気持ちや意思の表れが肉体の動きだからだ。
面白くない試合は、その気持ちも意思も止まっているのだ。
もしくは、相手を見ているだけ、あるいは、「どうしようか」と考えている時間が長すぎるのだ。
その場合は、全くお互いがお互いに向かっていなくて、肉体だけが運動をしているのだ。
面白くも無いダンスもこれだ。
その場合は、リング上がスカスカになる。
このパッキャオの試合の場合、リング上が非常に密度の濃い空間になり、その緊張感が観客を飲みこんでしまっていた。
息も出来ない、という感じだ。
だから、そのラウンドで終了のゴングが鳴ると、溜息のような雰囲気が観客に起こる。
プロだ。
そんな舞台を見てみたい。
正に観客を飲みこんだ舞台だ。

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